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野地打ち合わせ

この図は、SW神社 神殿葺替のさいの野地の打ち合わせを、行うために母屋位置を実測し、破風位置と野地の納まり位置を検証
野地1
野地2
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施工図

<野地打ち合わせ>で検証した図をもとに、野地ができました。
神殿野地1

神殿瓦納まり図1
できた野地を実測して瓦の各納まり図を作成
この図は、掛瓦断面図です。

A部断面図
最も落ち(野地と裏甲の段差)が深い部分の断面図
この神殿では、袖丸の代わりに抱き丸納めにしました。
”袖丸”については、このブログとリンクを貼っている*かわらぶき*で参照できます。


軒先納まり図
この図は、妻の軒先部分の納まり図です。
下の写真は、瓦座刳りを行う前に、図面の瓦座の高さで良いかを検証しているところです。
軒先納まり
この後に、桟木打ち・瓦座刳りの作業となります。
     つづく

瓦割・地葺

 SW神社の続編です。

   瓦座刳り
瓦座刳り
瓦座刳りとは、軒瓦の形状に合わせて瓦座を加工することです。

   下地張り         横桟木打ち
下地材 横桟木打ち
この神殿の大きさは、野地打ち合わせの図面に寸法を記入していますが、
下地張りの写真を見ると神殿の大きさが、よくわかると思います。
又、横桟木打ちの時点で野地に不陸がある場合は、修正します。


さて、ここからは、破風の割り付けについてです。
拝み納まり図  破風尻納まり図  破風割り付け図
  拝み納まり図      破風尻納まり図      破風割り付け図

破風の割り付けは、拝みと破風尻の基準位置の間を、均等割します。
拝みの割り付け基準は、拝み巴の一つ下の掛巴ですが、実際の割り付けではこの拝み納まり図より拝み唐草の割を15㎜広くしています。これは基準位置の掛巴どおしが近づき過ぎないようにするためです。
破風尻の割り付け基準は、妻側の丸芯と合うようにします。


桟打ち    平葺き
桟木打ち破風瓦座取り付け   地葺

 瓦は、淡路 井上瓦産業㈱産 南都A型を使用しています。

                    つづく  

瓦の納まり

 SW神社の続編

軒巴を取り付けている様子です。
この神殿を施工した期間は、菜種梅雨の季節で素屋根が活躍しました。
素屋根の足が乗っているトタン葺きは拝殿です。雨漏りがひどく神殿側の平面を覆っています。
この拝殿は、神殿の2年後に葺替工事をしました。
軒巴

掛瓦の納まり
拝み割り付け  拝み納まり  破風尻掛納まり
   拝み割り付け       拝み納まり         破風尻納まり
                納まり図にリンクしてます
拝みの納まり写真と納まり図を比較すると、拝み巴下の掛巴同志の間隔が違うのがわかると思います。これは、”瓦割・地葺”をご参照ください。

 振れ隅木
振れ隅
上から見ると隅木の振れ方がよくわかると思います。

 つづく



棟納まり図

SW神社平面地葺
平面地葺
袖丸部分は、抱き丸納めで仕上げました。

   破風尻             妻壁
破風尻面戸  妻壁納まり
破風尻と妻壁は、面戸瓦のみで納めました。
既存の妻壁は、前包の前に、壁熨斗を積んでありました。

さて、大棟と隅棟の納まり図です。
大棟納まり図  隅棟断面図

大棟は、肌熨斗1段に割熨斗6段積み
隅棟は、通し2段で捨熨斗2段納めです。
  


神殿完工

神殿の記事も残り少なくなってきました。
隅鬼裏の断面図を隅鬼へ写し台熨斗を積みます。
この隅棟の側面図(原寸)は、手元に残っておらずUpできません。
隅鬼裏  隅棟

神殿の南側から見た妻の全景です。
神殿の西側(写真右手)に拝殿があり、2年後に葺替工事をさせていただきました。
妻全景

 台風災害
神殿を施工させていただいた9月に台風が上陸し、工務店様より「境内に立っていた楠が倒れてかかったので、瓦が破損していないか点検に来てほしい。」との連絡を受け現場へ、、、
台風

現場へ到着すると、既に楠は撤去されており、早速屋根の点検に、、、
瓦かなり傷ついていたものの、割れ・ずれ等はなく安心しました。

  拝殿へつづく




楼門

お盆まっただ中ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

今回の記事は、楼門についてです。

さて、楼門とは門の一種ですが、門の種類には塀重門(へいじもん)・冠木門(かぶきもん)・長屋門(ながやもん)・棟門(むなもん)・上土門(あげつちもん)等があり、社寺及び宮殿の門(もん)には、四脚門(しきゃくもん)・八脚門(はっきゃくもん)・高麗門(こうらいもん)・唐門(からもん)・勅使門(ちょくしもん)・櫓門(やぐらもん)・楼門(ろうもん)・薬医門(やくいもん)等があります。

この建物は平成12年に施工させていただきました”楼門”です。

  楼門1  楼門2  楼門3

楼門は三間二面又は五間二面(二面とは棲の柱間が二つあること)になって、脇一間ずつは囲いを設け、中-問又は三間には扉を付ける。2階建になっていて、高欄手摺(こうらんてすり)を廻し縁をめぐらす。2階は1階より少し内に入れて柱を建て、正面中央は板扉へ出られるが脇は連子窓とする造りで、屋根は入母屋屋根反り破風造りが多いようです。

又、楼門と似た造りの建物に二重門と呼ばれる建物があります。
二重門と楼門はいずれも二階建ての門であるが、二重門が-階にも屋根を設けるのに対し、楼門は楼造りであって-階には屋根を設けません。

平安神宮

二重門の例として京都平安神宮の二重門をあげさせていただきます。

応援前の状態

ただいま~!
23日の夜には、戻っていたのですが、雑務と現場廻りに追われておりました。
静岡出張中に、ご訪問いただいた方々、更新がなくてm(_ _)m

さっそくですが、静岡で応援に入った時の、現場の状況です。
震災の影響で、それまで県内から応援に入っていた職人さん達が、お手伝いに来ることが出来なくなった為、震災後現場はほとんど動いていない状況でした。

安楽寺_02  安楽寺_01

安楽寺_03 安楽寺_06

瓦揚げが終わった時点の状態でした。

安楽寺_04 安楽寺_05

南面には向拝があり、北面には位牌堂がつながった本堂で、位牌堂の瓦工事は、終わっlていました。




瓦の選別

応援に入って4日間は素丸瓦の選別作業でした。

自社の現場だと、職方にやってもらっているので、私自身、選別作業を行うのは久しぶりのことでした。

約4,000本の素丸瓦の捩れを選別して、梱包しなおします。
この作業に2人で、4日=8人工を要しました。1人で1日約500本になります。

丸選別_02 丸選別_01

選別した素丸瓦は、用途に応じて使用箇所を決めます。

丸選別_03

この選別作業をやらなければ、素丸瓦が葺けないわけではありません。選別をせずに素丸瓦を葺いてもその違いは、素人目にはわかりにくいものですが、選別をして瓦を使用した時とそうでない時の屋根の仕上がりの美しさには違いがあります。
古い建物でも、瓦の納まりの美しい物は、この様な地道な作業に、手抜かりがありません。

屋根面積 8,860㎡

この建物は、屋根面積が、8,860㎡あるお堂です。
大棟までの高さは、18階建ビルに相当する51.5mあります。

5年ほど前に施工させていただいたのですが、瓦は総て特注品で瓦の形状、納まり等の打ち合わせに1年、瓦施工に2年、延べ約1万人工かかった現場でした。

      正面図           側面図
正面図 側面図
この正面図、側面図は、瓦の割り付け、棟瓦の納まりを検証して作成してます。

014.jpg
お堂から、500mほど離れた位置から撮影した写真

037.jpg
上層の軒先の長さが、70m 下層の軒先の長さが、82m 向拝部分の軒先でも、32mあります。

038.jpg
軒下の組み物は、上層部は六手先総詰組様式、下層部は四手先総詰組様式と呼ばれるものです。
プロフィール

さすらいの絵描き

Author:さすらいの絵描き
  ~伝統の美と匠の心~                 
古来より守り伝えられた瓦の美と技術を守りつつ、現代の建築技術・工法に適した施工を行い、瓦の美と、秘められた知恵を極限まで追求し、日本の自然・文化と共に生きる伝統を伝えます。

画像をクリックしていただくと、大きいサイズで見ることが出来ます。

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