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谷平瓦

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谷平納まり
これは、谷の中に平瓦を施工したものです。
瓦は、淡路の井上瓦産業㈱産(HPリンク貼ってます)56形切落し桟瓦葺きで、谷平瓦には、本葺9寸平瓦を使用してます。

 谷板金出口の納まり
谷板金
谷板金の出口の瓦の下にも板金を入れ万一のことに備える。

 谷平瓦出口の納まり
谷平出口
谷平瓦は、ホルマル被服銅線で野地へ緊結する。
谷平瓦は、谷板金の腐食(リンクブログ”かわらぶき”補修ー谷桶交換2 参照)を防ぎ、谷を美しく仕上げることができる。

 谷平瓦納まり断面図
谷納まり図
*谷を谷平瓦納めとする場合は、谷勾配や谷に集まる水量に十分注意する。
  水量が多い場合は、谷平瓦を2列にする等      2列納めについては後日

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本葺谷瓦

以前、谷平瓦で和型(桟瓦)の谷に平瓦を施工した記事を紹介しましたが、今回は、本葺瓦の谷を紹介します。この谷は、かわらぶきの中でも紹介されております。

まず、谷瓦の納まり図です。この図が、谷下地作りや谷筋交を作る時の基準となります。
谷断面図1  谷断面図2

谷底部分が水平になるように、野地板を打ち谷板金を施工してもらいました。
野地に反りがあるため、谷は緩やかにカーブしています。
谷板金1  谷板金2

下屋根には、上屋根の雨水を受けるためと谷部分からの雨水の侵入に備え、谷出口より軒先部分へ捨て板金を施工しました。
谷平1  谷板金3

下屋根捨て板金の上に平瓦を施工し谷出口の加工に入ります。


本葺谷瓦2

谷出口の納まりです。
和型(桟瓦)の出口よりは平瓦の葺き厚が多い分加工は楽です。
加工終了後、2枚をエポキシとホルマル線で固め納めます。
谷平2

谷平は、谷板金に芯墨を出し、2枚の接点が芯墨に合うように両脇を谷板金横の桟木へ緊結しました。
この時、素丸用のホルマル線を出しておきます。
谷平3

谷平の施工が終わると谷筋交の施工に移ります。
谷平4

本葺谷瓦3

本葺谷瓦2で谷平瓦の納まで描きました。
谷平の上に谷筋交を納めます。

さて、谷筋交とは?
谷筋交1
このように、谷の形に合わせて作られた瓦です。

下の図は、谷筋交発注の時に描いた図です。
屋根勾配と、谷の振れ角度を元に描いています。
屋根伏図  谷筋交発注図
谷筋交は、一谷に左右がありA,Bで表わしてます。
この時は、Aが14種、Bが13種で、これが二谷で合計54種類ありました。

谷平の上に、通り墨を出し谷筋交を納めました。
留め付けは、尻2ヶ所をステンレスビスで縦桟木へ緊結してます。
谷筋交2  谷筋交3

つづいて、谷巴の施工へと移ります。

本葺谷瓦4

本葺谷瓦も最終段階で谷巴の納めです。
谷巴瓦も谷筋交と同様に54種類ありました。
全ての谷巴を玉縁より120㎜を基準に谷角度の設定をしました。
谷巴1  谷巴発注図

谷巴の垂れの長さですが、この時は谷巴の垂れ下端が、谷平より5分浮いた状態で納まる長さに設定しました。
谷巴2  谷断面図1
谷巴は、巴の頭の通りを注意して納めます。
緊結は、ホルマル被服銅線1.6㎜で野地へ緊結しました。

本葺谷1  本葺谷2
最後に、谷芯の素丸瓦を納めて終了です。
素丸瓦は、南蛮漆喰を使用せず乾式で納めています。

雨漏り

ここ数日天気が続いていたのですが、また今日は雨が降っています。
県内でも雨による災害が発生しております。

さて、この雨で3件ほど雨漏りの連絡がありました。
現場へ行ってみると3件中2件は谷からの雨漏りでした。
しかもこの2件、昨年も谷からの雨漏りで応急処置をした現場でした。
谷腐食1  谷腐食2
コーキングをして穴を塞いだすぐ脇に新しい穴が開いています。コーキングによる応急処置なので、いずれまた穴が開くことは説明しておいたのですが、1年でこんなに大きな穴が開くとは…

もう1軒は、公共の建物で23年度は予算がないので、最低限の補修でとりあえず漏らないようにとゆうことで、
谷腐食4
パッチを当てていたのですが、
谷腐食3
別の場所に穴が開いてはお手上げです。
今年度は谷板金を交換の予定でしたが、災害復旧で予算があやしくなったので、『今年度も応急処置で…』とゆうことになりました。本格補修のときは、ぜひ谷平瓦を。穴が開く心配が無くなります。

残り1軒は、隅棟からの雨漏りです。

桟瓦谷平2列

5年前に施工した桟瓦の谷平納まりです。
谷平2列納まり
流れの短い側に14㎡分の雨水、流れの長い側は25㎡分の雨水が集まるので、谷平を2列にして納めました。
地葺が桟瓦だったので、谷平も桟瓦納めとしました。
流れの長い側に桟瓦の懐が向かないように、左の谷には左桟を使用して右の谷には普通の桟瓦を使用しました。
谷平2列納まり2
反り屋根どうしがぶつかる屋根なので屋根勾配の違いで谷もカーブしています。
谷出口では谷の左右の屋根勾配は1度の違いなのですが、谷尻では左右の屋根勾配の差が13度ありました。
谷断面図_01 谷断面図_02
その為、左桟・右桟ともに尻撥ねの瓦が必要になりました。

谷出口の下は、大屋根の雨受けの必要もあり、下屋根は軒先まで板金処理をしています。
雨落ち板金

谷部分の野地下地は谷中央部分を水平になるように作りました。〈上記図面参照〉
谷下地 谷板金2列用

谷平の緊結はホルマル被服銅線1.6㎜とコーキングの点付で行いました。谷平緊結

近年ではゲリラ豪雨が各地域でおこっており雨漏り確認の為、大雨の後には現場調査に訪れておりますが現在のところ雨漏りは発生しておりません。







プロフィール

さすらいの絵描き

Author:さすらいの絵描き
  ~伝統の美と匠の心~                 
古来より守り伝えられた瓦の美と技術を守りつつ、現代の建築技術・工法に適した施工を行い、瓦の美と、秘められた知恵を極限まで追求し、日本の自然・文化と共に生きる伝統を伝えます。

画像をクリックしていただくと、大きいサイズで見ることが出来ます。

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